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神奈川県の逗子市から居を沖縄の宜野湾市に移して1年程経った頃でしょうか。2010年頃の出来事です。
私は住んでいた宜野湾市伊佐と隣町の中頭郡北谷町に1軒づつ、行きつけの飲食店がありました。ただ月に数回ほどは那覇へと出かけてゆきました。

午前中なら自転車で県立美術館博物館(おきみゅー)に行きましたが、午後も3時過ぎならお酒を飲むのが目的なのでバスで向かいます。

その日もまだ陽が高い時間にバスで那覇に向かいました。今日は「飲み」と決めている時はウキウキした気分で、すっかり都会化した那覇の街の景色を眺めながら、「さて何処に行こうか・・・」などと考えています。但し、予算は1万程度で贅沢は出来ないので夕飯との併せ飲みです。

営業していた頃の「はな家」
【パラレルワールド】「バスを降りると違う世界だった」

最初は安里バス停で降りて「酒処はな家」へ真っ直ぐ。まだ小学生低学年ぐらいの娘さんがいるママさんが営んでいる家庭料理の店で、料理を数品頼んではハイボールを飲んでいました。比較的早くからやっていて、日中は客も少なくよくママさんと話しをしました。時々小説好きのご主人の宜野座さんと語ることもありました。

アットホームな店でお腹を満たし周囲も暗くなりかけた頃に、いつも通り栄町市場の中にある「栄町ボトルネック」に行きます。そこは旅行者の時から立ち寄っている店で何とも昭和的で、私にとっては落ち着く場所でした。店主の保(たもつ)氏ともお互いの酒場街の町興しをしていた気心もあり心地よい空間でした。

沖縄に移り住んでからはもう何も焦らず「まったり飲む」を心情としていました。特別親しい間柄になる客が出来たということもありませんでしたが、栄町市場やその周辺のかつての青線的な昭和な街の雰囲気はとても好きでした。なので都会的な国際通りの方には、来客連れでもない限り足を踏み入れませんでした。

那覇に出たら必ず行ってた店
【パラレルワールド】「バスを降りると違う世界だった」

その日は、ボトルネックの後に、多分一軒ぐらい飛び込みで入ったと思います。でもタクシーを使える身分ではありませんでしたので、ほぼほぼいい感じで酔えたら、また下車した安里のバス停に23時頃には酒を切り上げて向かいます。

この当時から、加齢もあり都会にいた頃と違って飲むと眠くなるようになっていたので、バスに乗っても気を張っていなければなりません。以前一回だけ乗り過ごして「胡屋」まで行ってしまい痛いタクシー代を払ったことがあったので、何とか起きています(笑)。

現在の「伊佐バス停」
【パラレルワールド】「バスを降りると違う世界だった」

寝てはいなかったので、しっかり「伊佐」のバス停で下りました。そこでは僕より先に2名が降りたように思います。その人影はすぐに暗い夜道に消えました。歩道に降りたってすぐ違和感に襲われました。「ん、バス停間違えた・・・?」。いつもとは全く違う感じの町並みなのです・・・。

酔っているから?。通りが一段と暗く感じることを訝しみながらも、兎に角、家に戻りたいので坂を下って行こうと足を踏み出したのですが、いつもはない筈の高架があって、「おやおや、違うな~」と思いながらも高架下にある小さなトンネルを潜ったのです。

そこを潜ってもやはり見覚えのある景色ではありません。「やっぱりバス停を一つ間違えたせい?」と言い聞かせたいのですが、一つ先の「伊佐川」でも何度か降りたことがあるので、やはり違和感が拭えません。こうなると海へと向かう方角的な勘だけが頼りです。

やがてもう一つの不可思議に気づきました。そうなのです。まだ少しも歩いていないのに車の音が全く聞こえないのです。いや、それどころか「音」自体が何もしないのです。深淵とした音のない世界・・・、おかしい58号線までそんなに距離はないのです。いえいえそれだけではありません。

何やらいつもより暗いと思っていたら、街灯らしきものから明るい光が放たれることはなく、外灯もボウッとあわ~いオレンジ色の灯なのです。ひどい孤独感に襲われてたのを覚えています。そして・・・町には車も走っていないどころか、人も誰も歩いていないのです。

宜野湾時代のアパート付近
【パラレルワールド】「バスを降りると違う世界だった」

強い不安を抱えたまま、狭い路地をただウロウロ彷徨うことになり、全く自分のアパートのそばに近づいている気もしません。それはそうです。夜とは言え全然景色が違うのです。しかも道を尋ねる相手一人遭遇しないのです。酔いは覚めてゆき、迷いは恐怖に変わってゆきました。

狭い壁に囲まれた通りをただただ歩きました。酔いは覚めつつあるとはいえ、今度は疲労のせいで思考がハッキリしません。相当に歩いている感じです。本当に恥ずかしいことですが、五十路を迎えたオヤジが家に戻れないことで泣きべそをかきそうでした。

どのぐらいの時間が過ぎたのでしょう。いえ、何処をどう歩いたのでしょう。殆ど偶然と言うような感じでアパートを見つけ出し、部屋に辿り着いたのです!。部屋の時計を見ると何と深夜の2時半近かったのです。非常に憔瘁してリビングのソファに倒れ込みました。そして、暫く起こったことが現実であったのか自問自答していました。

「そういえば!」考えてみれば携帯は持っていたのです。早く帰りたい一心で完全に気が動転してしまっていて携帯の存在すら忘れていたのです。私は本当に3時間近くも放浪してしまったのだろうか・・・。どうにも割り切れない気分が収まらず、家にあった泡盛を飲み始めました。疲れて酔いが醒めていたせいもあります。

似たような不思議な体験

余りに人に話しても理解して分かってもらえる出来事ではなかったので、兎に角自分自身が更に酒を飲み直して忘れることにしました。この件は上のYouTubeの番組を見て初めて公開する気になりました。ただ思い返すと、近い経験は私にとって・・・3回目でした。

どういうプロセスでそうなるのか分かりません。ですが、私にとってはあれは間違いなくパラレルワールド的な世界に入り込んでしまったとしか理解が出来ません。そして、どうしてあれだけ迷っていたのに突然戻ることがでしょう?。その境界がわかりません。いや、ひょっとすると私は元々何本もの並行世界を渡り歩いているのかも知れません・・・。




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